不意に君が呟いた。

「あの頃は良かったね」

宙を見上げる横顔。

何だよ。ただでさえ感情が読み取りにくいってのに。

「こっち向けよ」

思わず飛び出した言葉には棘が生えていた。

気まずくて砂に指で絵を描いた。うずまきのやつ。

もう一つ。今度は反時計回りに。

「今はもっと良いよ」

うん。そうだね。ごめん。

隣に横たわる。

同じ景色を見よう。これからは。

ああ、地球の青白い光って眩し過ぎる。